【第二の人生の輝かせ方 インタビュー編】第1回 認定NPO法人かものはしプロジェクト(後編)


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-一方で、うまくコミュニケーションを取りづらいシニアの方もいらっしゃったと思います。お二人は、「シニアのサポーターの助言を裏切らないよう丁寧に接しよう」と頑張っていらっしゃいましたが、相当苦労されていたようにお見受けします(苦笑) ありがたいシニアの方と、そうでない方の違いは何でしょう?

村田       「ご自身の仕事でも言うだけでなく行動してきた方なんだろうなぁ」と、感じる方です。世の中には地位はあるけど動かない人達もいると思いますが、助けて頂いた方は、行動してきた人なんだというのが伝わりました。

IMG_yamamoto山元       その時々で、団体に本質的に足りない部分を理解してコミュニケーションを取ってくださり、足りない部分を補完することに徹してくださった方は、非常にありがたい存在でした。

 かものはしプロジェクトの軌跡を辿ると、最初は学生しかいなかったので、社会の一般常識が足りませんでした。例えばコミュケーションの取り方やマナー、責任の取り方などです。
 その次は、社会的信頼が足りません。社会的信頼を担保して下さる存在として助けられました。かものはしの活動が評価され、団体が自立して社会的信頼を獲得してきたら、今度は人脈、専門知識、システムなどが足りないということが見えてきて、そこを補完して下さる方がいらっしゃったのはありがたかったです。

 一方で、本質的な課題ではないとかものはしが判断しているのに、ご自身が課題と感じていることに対して何度もご指摘頂く際はやりづらかったです。そういう方のアドバイスは、決して間違っているものではないのですが、その時にかものはしが抱えている組織的な成長段階と経営課題がある中で優先順位をつけていくと、(その当時は)取組むのが難しいし、取組むと全てが狂ってくる可能性がある。それをお伝えしてもご理解頂けないときには、難しさを感じます。

 シニアの方々にお願いできるのであれば、「柔軟性」と「信頼」を持って接して頂ければと思います。「若いからこいつらは未熟だ」ではなくて、「やってみたら良い。失敗もするだろうけど、最後にはちゃんと学んでやり遂げるやつらだ」という信頼をして下さるとお互いやりやすいと思います。自分の経験では善ではなく、この子たちの経験も善であるというスタンスの方とは上手くいくと感じています。

-信頼に足る方かどうかの見極めはどうやってやるのですか?

山元       現在は50代以上の方の積極的な参加はありません。たまにボランティアにも来られるのですが、周りの人達が20-30代の方なので居づらさを感じてなのか、その後は来ていただけないことが多いんです。

 正直申し上げると、シニアの方達とコミュニケーションを取るのは、我々にまだ勉強が必要だと思っています。その方にとって何が価値基準かを理解しながらコミュニケーションする必要があり、もし価値基準とずれてしまったときには、ご迷惑をお掛けすることがあるためです。また、団体が立てている目標設定や行動計画に同意いただけないことがあり、お任せして自由に動いていただくことになると、まだ我々の管理能力が追い付いていないということがあります。

-この先のフェーズでシニアが必要になりそうなことはありますか?

村田       ファンドレイザーになっていただければと思っています。

-ファンドレイジングをするにあたって、大事な要素は何ですか?

山元       3つあると思っています。

 まずは、かものはしプロジェクトのミッション・ビジョンを理解していただくことです。単に文言レベルではなく、創りたい社会はどういうものなのかを深いレベルで理解していただき、それを実現するためには現地で何が問題になっていて、かものはしはどのように解決しようとしているのか、それをやる上でどのような経営課題・事業課題があって、それを解決するのに何がどれだけ必要なのか?を理解していただきたいと思います。かものはしのミッション・ビジョンから、末端の活動までを一気通貫で理解していただくことが大切だと思っています。

 2つ目は、ファンドレイジングをもう一段深いところでご理解していただきたい、ということです。ファンドレイジングは単にお金集めではなくて、社会の問題解決をするための重要な取り組みであり、お金じゃなくても問題解決するためのリソースが集まれば問題解決できると考えているので、そういう観点で取り組んでいただきたいと思っています。

 3つ目に、ファンドレイジングの手法やツールは社会にたくさん広がっているので、新しいものに対する理解や柔軟性を持っていることも重要だと思います。

-最後に、シニアの方々に応援メッセージをお願いします

村田       今まで培われてきた人脈とノウハウ・経験は、社会に活きる部分が非常に多いので、お持ちの力を社会に還元することはものすごく意義があることだと思います。

山元       せっかく新しいライフステージを迎えられる訳ですから、これまで得たものをそのまま持ち込むのではなく、新しい考え方・やり方や、新しい人達と一緒に学ぶというスタンスで飛び込まれると良いのかと思います。ご支援いただいたシニアの方々を思い返すと、新しい試みの過程において、ご自身の持っていらっしゃるもので使えそうなものを出していただくのが、お互いにとって良いあり方だと思います。そうすることで、その方の人生が開けてきて、ハッピーになるのだろうな、という風に思います。

-村田さん、山元さん、ありがとうございました

第二の人生の輝かせ方は、無限にあります。
ぜひご自身にあった第二の人生を探す旅をなさってみてはいかがでしょうか?

 

 

 


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