家族にイライラしなくなる、問題の捉え方を180°変える 3つの視点


「ファミリー・セラピー」という、心理療法があることをご存知ですか?

「個人」を対象にするのではなく、「家族」という集団を対象にした心理療法で、
家族を多角的に理解・分析する理論と、具体的な実践方法をもつものです。

私は現在、FBAAファミリービジネスアドバイザー資格認定プログラムを受講中ですが、
その中の一つの講座として教わりました。(FBAAについては、コチラをご参照ください。)
この心理療法は、目からウロコでした!

そこでの学びをもとに、私なりに家族問題の捉え方を整理してみました。
家族の問題は、感情が絡むことなので、冷静に捉えるのが難しいですが、怒りを鎮めて
次の3つの視点で問題を捉えなおしてみてください。

 

1.家族を「システム」としてみる

家族の問題が起こったときに、よくやってしまうのが、「妻が悪い」「夫が悪い」「長男が悪い」などと、
問題は一個人にあると決めつけてしまうことです。

ファミリー・セラピーにおいては、問題の根源は個人ではなく、家族間の相互関係にある、と捉えます。
したがい、一個人が問題のように見えたとしても、それがなぜ問題のように見えているか?の因果関係を
丁寧に紐解いていく必要があります。

たとえば、「子どもがキレる」ということで「母が叱る」という現象があったとします。
母から見ると「子どもがキレているから叱る」となりますが、子どもから見れば「母ちゃんが口うるさいから」
ということでイライラしてキレている、ということかもしれません。
どの視点から見るかによって、問題の捉え方は変わるのです。

ですので、決して悪者・犯人捜しをするのではなく、関係性や相互作用に注目して、「システム」として
問題を捉えてみましょう

 

2.家族構成(家系図)が問題に影響することを知る

1.で「家族をシステムとして捉える」ことをお伝えしましたが、システムに影響するのが、家族構成です。

特に、家系図を見ると、家族問題のパターンが見えてきます。(これを、「ジェノグラム」と言います。)

家族には、父親・母親・長男など、それぞれに役割があるものですが、問題が起きるときには、
「あるべき役割が無い」とか、「役割の担い手が変わってしまった」といったことが原因になったりします。

たとえば、お母さんが亡くなられたため、長女がお母さん代わりをするようになり、そこから家族の関係性
が変わってしまった、というようなことが起こりえるのです。

パターンの読み解きは、訓練しないと簡単には習得できませんが、ぜひ一度、家族で家系図をつくって
みてはいかがでしょうか?夫婦間には互いの生い立ちなどから、抱えている悩みとか、考えのクセなどが
見えてくるかもしれません。

 

3.家族には発達段階(ライフサイクル)があることを知る

最後に、子どもに発達段階があるように、家族にも発達段階がある、というものです。

具体的な家族のライフサイクルは、以下のような段階を踏みます。

①家からの巣立ち
②結婚による家族のつながり
③幼い子どもがいる家族
④青年期の子どもがいる家族
⑤中年期における子どもの巣立ちとその後
⑥後期中年期の家族
⑦人生の終わりを迎える家族

それぞれのフェーズで、前に進むために家族に求められる変化があります。
夫婦の互いのあり方、経済状況、コミュニティとの関わり方などが、フェーズごとに変化してくるのです。

詳細のご説明は、またの機会にしたいと思いますが、問題を抱えていても、「次のステップに進むための
成長の痛み」なんだと捉え
、家族で協力しながら乗り越えていこう、という心構えをされると良いでしょう。

 

ぜひ、上記3つの視点を持ちながら、家族の問題を前向きに捉えてみてください。

 

そして、何より大切なのが、ちゃんと家族ゲンカをすることです(^^)

バウコムという心理学者の研究によれば、「妻が従順であるほど、中長期的にみて夫婦関係が悪くなっていく」
「一生懸命、肯定的な関わりを心掛けている妻は、表面的には夫婦関係に満足しているように見えても、
3年後には不満を抱えている」のだそうです。

結局のところ、コミュニケーションがなされなくなってくると、関係性が悪化し、最後は家庭崩壊につながって
しまいます。

したがい、面倒くさがらずに、プチケンカを試みることが大事です。
上手なケンカの仕方(スキル)も身につけて(笑)、ちゃんと家族でケンカすることを心掛けましょう。

 

 

(posted by 平野善隆)


関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る